詐欺被害に遭った場合、振込先口座を早めに凍結できれば、犯人による資金移動を防ぎ、被害回復分配金を受け取れる可能性があります。
ただし、口座凍結だけで必ず返金されるわけではありません。口座に残高がない場合や、クレジットカード・電子マネー・ギフトカードなどで支払った場合は、別の対応が必要になることもあります。
本記事では、詐欺業者の口座凍結の仕組みや手続きの流れ、弁護士に相談するメリット、注意点を解説します。返金の可能性を確認したい方は、参考にしてください。
【監修】

| 伊藤 建(いとう たける) 消費者庁出身・法律事務所Z代表弁護士 2011年に国家公務員第Ⅰ種試験、司法試験にダブル合格。多くの詐欺被害案件を手がけ、被害額数100億円の大規模詐欺事件でも勝訴判決を得る等の実績を有する。 |
【結論】詐欺被害の返金可能性を高めるには早期対応が重要

詐欺被害に遭ってしまったときは、できるだけ早く口座凍結の手続きを行うことが重要です。詐欺師は、騙し取った資金を素早く引き出す傾向があり、時間が経つほど被害回復の可能性が低くなります。
警察や弁護士に相談すれば、送金先の金融機関に対して口座凍結を要請することが可能です。詐欺業者の口座に残高が残っている場合は、返金を受けられる可能性があり、被害回復への一歩になります。
口座凍結とは

口座凍結とは、金融機関が特定の銀行口座の利用を停止する措置です。口座凍結が行われると、資金の入出金や送金ができなくなります。
詐欺被害に遭った場合は、被害者からの申告を元に、詐欺に使われた口座を金融機関が凍結します。ここからは、口座凍結の根拠となる法律や対象となる詐欺行為について見ていきましょう。
口座凍結の根拠となる「振り込め詐欺救済法」
口座凍結の手続きは「振り込め詐欺救済法」という法律を根拠に行われます。「振り込め詐欺救済法」は、振り込め詐欺などの被害に遭った方を対象に、被害回復分配金の支払い手続きを定めた法律です。
騙されてお金を振り込んだことを金融機関と警察に連絡し、救済法の手続きを取ることで、詐欺師の銀行口座は取引ができなくなります。
振り込め詐欺救済法の対象となる詐欺
対象は以下のような特殊詐欺です。
- オレオレ詐欺:警察や親族を装って電話をかけ、緊急事態を理由に金銭を振り込ませる
- 詐欺架空料金請求詐欺:実際には利用していないサービスの未払い料金を名目に、不安を煽って金銭を支払わせる詐欺
- 還付金詐欺:税金や保険料の還付があると偽り、ATM操作などで金銭を振り込ませる詐欺
- 融資保証金詐欺:融資を受けるために保証金や手数料が必要と偽り、先に金銭を振り込ませてだまし取る詐欺
ただし、特殊詐欺であっても、口座への振り込み以外で支払った場合は、振り込め詐欺救済法の適用対象外となります。自分が対象になるかわからないときは、警察や弁護士にご相談ください。
詐欺被害で口座凍結を行うべき理由

詐欺被害に遭った場合、振込先口座を早めに凍結することで、被害金の一部を保全できる可能性があります。
返金を受けられるかどうかは口座残高や手続き状況によって異なりますが、被害回復のために重要な対応のひとつです。ここでは、詐欺被害に遭った際に口座凍結を行うべき理由を解説します。
詐欺業者による資金移動を防げる
口座を凍結すると、出金や他の口座への送金が制限されます。そのため、振込先口座に資金が残っていれば、犯人がさらに資金を移動させるのを防げる可能性があります。
詐欺師は、被害金を複数の口座へ移したり、すぐに引き出したりする傾向があります。資金が移動された後では追跡が難しくなり、返金の可能性も下がってしまいます。
被害に気付いたらできるだけ早く金融機関や警察、弁護士などに相談し、口座凍結の対応を進めましょう。
被害回復分配金を受け取れる可能性がある
口座凍結後、一定の手続きを経て、凍結口座に残っている資金が被害者に分配される場合があります。これを被害回復分配金といいます。
ただし、必ず全額が返金されるわけではありません。口座に残高がない場合は分配を受けられず、被害者が複数いる場合は残高に応じて按分されます。
詐欺業者の口座を凍結させる手順
詐欺業者の口座凍結は、主に以下のような手順で実施します。
| 口座凍結の手順・流れ | 内容 |
| ①警察と金融機関へ連絡する | ・金融機関に、振り込み番号や自分の名義、送金した口座の名義人を伝える・警察には、被害届を提出し相談記録を残す |
| ②金融機関が口座凍結の手続きを行う | ・金融機関が、犯罪利用口座の名義人の権利を消滅させる手続きを行う・預金保険機構のサイトでは、犯罪利用口座の情報や進捗状況を確認できる |
| ③状況により被害者へ分配処理される | ・預金保険機構のホームページで該当口座の公告状況や支払申請期間を定期的に確認する・分配可能になっている場合は、受付期間の間に被害回復分配金の申請を済ませる |
詐欺業者の口座を凍結するには、まず金融機関と警察に被害を申告する必要があります。
しかし、被害者本人が金融機関に依頼しても、対応が遅くなるケースは少なくありません。また被害回復分配金に関しては、分配可能になっても連絡が来ない場合があるので注意が必要です。
連絡を待つだけでなく、預金保険機構のホームページで該当口座の公告状況や支払申請期間を定期的に確認するようにしましょう。
手続きに不安がある場合は、弁護士に相談することで、口座凍結から返金までスムーズに進められます。
口座凍結を弁護士に依頼するメリット

弁護士に相談すると、被害状況や振込記録、相手方とのやり取りなどを整理したうえで、金融機関や警察への申告、返金に向けた対応を進めやすくなります。
弁護士が直接口座を凍結できるわけではありませんが、金融機関に対して凍結理由を付して書面を提出することで、口座凍結を行えます。最短で翌営業日には口座を凍結できるため、迅速な解決を図れるのがメリットです。
また、口座凍結による被害回復分配金だけでなく、相手方への返金請求、クレジットカード決済への対応など、支払い方法や被害状況に応じた解決方法を検討できる点もメリットです。
「口座凍結できるか」だけでなく、「どの方法で返金を目指せるか」を確認するためにも、早めに弁護士へ相談しましょう。
詐欺被害の返金相談を弁護士に依頼する場合の費用相場
詐欺被害の返金対応を弁護士に依頼する場合の費用は、事務所や被害状況、対応内容によって異なります。口座凍結の可否だけでなく、返金請求や交渉、決済方法ごとの対応が必要になるケースもあるため、まずは無料相談で費用の見通しを確認しましょう。
なかには違法な非弁業者と提携している法律事務所もあり、高額な依頼料による二次被害も報告されています。安心して依頼するためにも、透明性の高い費用体系を提示している事務所を選びましょう。
法律事務所Zでは、詐欺被害に関する相談料・着手金は無料です。被害状況を確認したうえで、返金の可能性や今後の対応方針をご案内します。

詐欺業者の口座を凍結するときの注意点
詐欺業者の口座凍結は被害回復に有効ですが、いくつかの制約や注意点もあります。
- 口座凍結から返金までに時間がかかる
- 金融機関への振り込み以外は対象外となる
- 口座残高が1,000円未満の場合は返金されない
それぞれ詳しく解説します。
口座凍結から返金までに時間がかかる
詐欺業者の口座凍結を行っても、返金までには一定の期間がかかります。被害回復分配金の支払い手続きについては、運用上90日の期間が必要になり、半年前後かかるケースも珍しくありません。
また、金融機関への申告時に自分以外の被害者がいない場合は、詐欺だと認定されるまでにも時間を要します。口座凍結による返金は、時間がかかることを前提に、焦らず手続きを進めることが大切です。
弁護士に依頼すれば、進捗を把握しながら適切なタイミングで必要な対応を取れるため、手続きの遅延リスクも軽減できます。
金融機関への振り込み以外は対象外となる
口座凍結によって返金の可能性があるのは、銀行など金融機関へ振り込んだ場合のみです。現金の手渡しのほか、クレジットカードや電子マネーによる支払いなどは、振り込め詐欺救済法の適用対象になりません。
このような場合は、別の手段での返金交渉や法的手続きが必要になります。クレジットカード払いなら、チャージバック申請で返金してもらえる可能性もあるので、まずは弁護士に相談することが重要です。
口座残高が1,000円未満の場合は返金されない
振り込め詐欺救済法では、凍結口座の残高が1,000円未満の場合、被害回復分配金の支払い手続きが行われないと定められています。
口座を凍結しても、すでに詐欺師が資金を移動させていた場合は被害金が返ってこないため注意が必要です。資金の引き出しや移動を防ぐためにも、可能な限り早く弁護士へ相談しましょう。
また、複数の被害者がいる場合は残高が按分されるため、返金額が少なくなる可能性もあります。
詐欺被害の返金相談は「法律事務所Z」へご相談ください
詐欺業者の振込先口座を凍結できれば、被害回復分配金を受け取れる可能性があります。ただし、口座凍結だけで必ず返金されるわけではなく、口座残高、証拠の有無、支払い方法、被害状況によって取るべき対応は異なります。
法律事務所Zでは、詐欺被害に遭われた方に向けて、返金の可能性や今後の対応方針を確認しています。銀行振込による被害はもちろん、クレジットカード決済や電子マネーなど、支払い方法に応じた対応についてもご相談いただけます。
「お金を取り戻せる可能性があるのか知りたい」「何から対応すればよいかわからない」という方は、まずは法律事務所Zへご相談ください。相談料・着手金は無料です。

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