結婚詐欺とは?返金は可能か?弁護士が徹底解説!

結婚詐欺は、相手に対して結婚の意思があると偽り、信頼関係を築くなどして金銭など財産を騙し取る行為をいいます。被害者は、金銭的な損害だけでなく、精神的な痛みを負うので悪質な詐欺です。

このような結婚詐欺でだまし取られたお金は、法的手続きを通じて返金を求めることができるのでしょうか。

本記事では、結婚詐欺に遭った場合の返金方法について、弁護士が徹底的に解説します。

目次

結婚詐欺とは?

結婚詐欺とは、結婚を装って相手の信頼を得て、金銭や財産を騙し取る行為です。詐欺の対象となる行為には、金銭の借入や高額なプレゼントの要求、投資詐欺などが含まれることがあります。

近年、結婚詐欺は、マッチングアプリなどを用いてターゲットを選定して行われることが増えています。

これは、刑法で定められている重い犯罪である詐欺罪(刑法246条)に該当する場合があります。

返金請求の流れ

結婚詐欺に遭った場合、法的には、以下の手段が考えられます。

示談交渉

結婚詐欺を働いた相手との話し合いで返金を求める示談交渉もあります。示談が成立すれば、裁判に持ち込むことなく解決できる可能性があります。

しかし、相手が誠意を持って返金に応じない場合は、やはり刑事告訴や民事訴訟に踏み切る必要が出てきます。

民事訴訟による損害賠償請求

民事訴訟を通じて、結婚詐欺により騙し取られた金銭の返金を求めることが可能です。以下の2つの請求手段が一般的です。

詐欺に基づく返還請求

詐欺によって得た不正な利益を返還するよう求めるものです。  民法96条が、詐欺によって行なった行為(贈与などの意思表示)を取り消せることが規定しています。

損害賠償請求

詐欺によって被った精神的苦痛や経済的損害に対する賠償を請求する方法です。詐欺によって被害者が受けた損害額や精神的苦痛の度合いに応じて、賠償額が決まります。民法709条の不法行為に基づく請求が可能であることが規定されています。

③ 刑事告訴(詐欺罪)

詐欺行為を刑事事件として警察や検察に告訴することも考えられます。

詐欺罪で起訴されると、詐欺師は刑事罰(懲役や罰金)を受けることがあります。刑事裁判では被害者の返金が直接の目的ではありませんが、相手が有罪になれば、その事実を基に民事裁判で損害賠償を請求することが有利になることもあります。

もっとも、結婚詐欺で警察が動いてくれることは相当に高いハードルがあり、弁護士がいなければ困難でしょう。

結婚詐欺被害の証拠収集

返金を求めるには、詐欺行為の証拠をしっかりと揃えることが重要です。弁護士は以下の証拠を基に、返金を求めるための法的手続きを進めます。

・相手方とのやり取りを示すメールやメッセージ

・金銭のやり取りを証明する銀行の振込履歴

・詐欺師が結婚を装っていた証拠(婚約指輪の購入や結婚式の打ち合わせ記録など)

これらの証拠を集め、詐欺行為の事実を証明することで、裁判で有利な立場に立つことができます。

もっとも、詐欺と判断してもらえるには相当のハードルがあることには注意が必要です。

返金を求める際の注意点

結婚詐欺被害者が返金を求める場合、いくつかの注意点があります。

証拠の確保

証拠が不十分だと、詐欺を立証することが難しくなります。弁護士に相談しながら、証拠をきちんと揃えることが重要です。

特に、相手方が当初から結婚する意思がなく、なんらの恋愛感情がなく、単に財産をだまし取る目的であった証拠を集めて立証する必要があり、そのハードルは決して低くありません。

当初は結婚するつもりだったが、後から何らかの理由によってその気がなくなった場合は、結婚詐欺とはならないからです。

相手方の身元の特定

相手方が逃亡したり、資産を隠したりする場合もあります。相手方の身元や行方が全く特定できない場合は、

特にLINEなどは、身元の特定が難しく、偽名を用いている場合もありますので注意が必要です。

相手方の財産

相手方に財産がない場合、仮に民事訴訟を起こして勝訴することができたとしても、返金を求めることができません。

被害に遭わない対策

結婚詐欺を未然に防ぐためには、相手方との怪しい点などに注意し、慎重に行動することが求められます。特に、以下の点に留意することが重要です。

  • 短期間での積極的に相手が結婚を匂わせてくることに注意する
  • 相手の経済状況や職業など注意する
  • 金銭の貸し借りには証拠を残す
  • 高額な金銭的要求が生じた場合は、注意する
  • 突然去ろうとするので、身元をきちんと把握しておく

弁護士に相談するメリット

結婚詐欺に遭った場合、専門の弁護士に相談することが非常に重要です。弁護士は法的手続きに精通しており、被害者が迅速かつ適切に返金を受けるための支援を行います。

弁護士のサポートを受けることで、証拠の収集のサポートや、交渉や訴訟手続きなどを任せることができ、詐欺被害者の方の精神的な負担を減らすことが可能です。

まとめ

結婚詐欺に遭った場合、民事訴訟、示談交渉を通じて返金を求めることが可能です。返金を受けるためには、詐欺行為の証拠を揃え、法的な手続きを進めることが求められます。弁護士の助けを借りて、迅速かつ確実な対応を目指しましょう。

詐欺被害に遭った場合、すぐに弁護士に相談し、適切な法的対応を取ることが重要です。

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この記事を書いた人

消費者庁出身の弁護士。大阪大学非常勤講師。政策だけでなく、直接の被害者救済をしたいと考え、弁護士に転身。粘り強い交渉や緻密な論理による裁判を得意とする。

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