投資詐欺は、長年問題となっている詐欺であり、ターゲットの経済的に豊かになりたいという強いインセンティブに働きかける点で誰しも注意すべき詐欺です。その手口は巧妙化し続けています。以下に、投資詐欺について弁護士が徹底解説します!
投資詐欺は、現代社会において急速に増加し、多くの人々が被害に遭っています。詐欺の手口は高度化しており、インターネットの普及等に伴い、従来の詐欺防止策では対応しきれないケースも増えています。
被害者の多くは、適切な対策を講じていれば被害を防げたケースも少なくありません。この記事では、投資詐欺の主要な手口やその防止方法について解説します。
投資詐欺の主な手口
投資詐欺にはさまざまな形態が存在しますが、以下が代表的なものです。
ポンジ・スキーム
ポンジ・スキームは、古典的な投資詐欺の一つで、後から参加する投資家の資金を前の投資家への配当や利益として支払う手法です。
たとえば、犯人Xは、投資の名目で、Aさんから500万円を出資を受けた後、BさんもXに対して800万円を出資したとします。そのあと、犯人Xは本当は出資金を運用していないのに、Bさんの出資金の中からAさんに対して配当金を50万円を支払います。そして、Bさんには、次に出資したCさんの出資金から配当を出し、Cさんに対してはDさんの出資金の中から配当金を支払い…これがずっと続くイメージです。このようにポンジ・スキームとは、別の出資者の出資金を配当として支払うことによって、運用がなされているように装うスキームなのです。
もっとも、最終的に新たな資金が尽きると、全体が崩壊し、多くの投資家が投資した財産を失うことになります。高額なリターンを短期間で保証する話は、ポンジ・スキームである可能性が高いので注意が必要です。
たとえば、出資者を募って、その資金をもとに凄腕の株式・FXトレーダーが運用するとの内容、不動産に投資するなどの事業、特定の新規事業に投資するとの内容など、様々です。なんとなく「すごい」と思うような壮大なもので、「極秘の情報」など大々的に情報が公開されていないことに対する理由付けがなされていることが多いです。
具体的なケースとして、有名なポンジ・スキームのバーナード・マドフ事件が挙げられます。
この事件は、数百億ドルに及ぶ詐欺事件であり、多くの人や団体が被害に遭いました。
ピラミッド・スキーム(マルチ商法)
ピラミッド・スキームも、詐欺師が投資家を新たな投資家を勧誘するよう促し、その勧誘者に利益を分配するモデルです。こちらもポンジ・スキームと同様に、新規参入者が投入した資金を上位勧誘者に流しているだけで、運用実態は全くないかほとんどありません。
勧誘上位の少数の人が高額な利益を得ているように見せかけ、それに魅了された新規参加者が勧誘されていきます。
参加者が増え続けなければ成立せず、破綻した際は投資家は投資した財産を失います。
前述のポンジ・スキームとの違いとしては、参加者が新規加入者を自ら勧誘していくのが特徴で、一方で「ポンジ・スキーム」は1人もしくは複数の主催者側が勧誘を行うところが異なります。
海外投資詐欺
特定の国や地域における投資を装って、詐欺を行う手法です。海外投資を装うことで高利回りに説得性を持たせて謳ったりすることなどがあり、実態が不明瞭な投資先には特に注意が必要です。
たとえば、ワールドオーシャンファーム社が、「フィリピンでブラックタイガーの養殖事業をしている」「現地には東京ドームの数百個分の養殖場がある」「2円で稚海老を仕入れると、それが半年で100円から120円になる」「1年で倍の配当金を出す」という名目を掲げて、セミナーなどを通じて、全国約4万人から出資を受けました。それによって、全体の金額は約600億円を詐取したといわれています。そのあと配当を停止し、警察によって強制捜査もなされました。
投資を名目とした振り込め詐欺
以上のもの以外にも、古典的な手法として、資産を預けたら増えますという謳い文句で、指定された振込口座にお金を振り込むようにいわれるものもあります。とてもすごい先生がいるというLINEメッセージなどが来て、預けたお金がいくらになりましたという報告だけが来ます。しかし、お金を引き出そうとすると引き出せなかったり、連絡が取れなくなってしまうというものもあります。
こうした詐欺は、振り込み先の銀行口座が毎回異なり、しかも、個人名義である場合があります。犯人は、自分が誰かわからないようにするために、こうした他人名義の口座を買い取ったりしているのです。
投資詐欺のサイン
投資詐欺を見極めるためには、以下のサインに注意することが重要です。
高利回りの保証
「必ず成功する」「リスクなしで高利回り」などの言葉は、詐欺師が使う典型的な誘い文句です。
緊急性を強調する
「今すぐ投資しないと機会を失う」といったプレッシャーをかける手口です。冷静な判断を促さない状況を作る相手には慎重になった方がよいでしょう。
透明性の欠如
投資先やビジネスモデルについて十分な情報が提供されない場合や、説明が曖昧な場合は、詐欺の可能性が高いです。もっとも、近年は手口が巧妙化しており、具体的なビジネスモデルに説得性を持たせている場合も見受けられます。スキームに説得性があるからといって簡単に信用しないことが重要です。
未登録の業者
登録されていない業者やライセンスがない投資顧問に関与することは非常に危険です。必ず公的機関で登録状況を確認しましょう。
立派な外観
本当は実態がないのですが、出資者を信用させるためにオフィスやパンフレットを豪華にしたりする業者もあります。
また、出資の勧誘をしている人物が、高級車、高級ブランドのバッグや高級ホテルなどの宿泊などinstagramなどでぜいたくな生活ができていることを投稿する場合もあります。投資先だと主張している養殖場や牧場などの見学をさせて信じさせる場合もあります。
投資詐欺から身を守る方法
事前調査を徹底する
投資先やその運営者に関する詳細な情報を事前に調べることが重要です。インターネットや周囲の情報など相手の法人や個人の信頼性を確認しましょう。
アフィリエイトや勧誘のために実質的に業者の影響を受けているブログもありますので、そのような投稿にも気を付けましょう。
基本的に、絶対に儲かる話などは存在せず、「みんな儲かっているよ」などといわれても毅然として断りましょう。
冷静な判断を心がける
一見、非常に魅力的な投資話であっても、感情に流されずに冷静に判断することが重要です。何度も再確認し、即断は避けましょう。
振込先口座の確認
振込先口座を確認して、個人名義なのか法人名義なのかを確認しましょう。口座売買などで、投資とは無関係の個人の名義の口座が指定されている場合もあります。
住所の確認
住所を確認して会社の所在地を確認しましょう。
そこがバーチャルオフィスである場合、本当に投資の実態があるのかに注意すべきでしょう。
バーチャルオフィスかどうかは、住所を検索して、当該所在の建物や部屋がバーチャルオフィス業を営んでいるかどうかで判断できます。同じ住所の事業者が多数ある場合もバーチャルオフィスがあります。
もちろん、通常の業者もバーチャルオフィスを利用していますし、反対に、堂々とオフィスを構えて詐欺をしている会社もありますから、バーチャルオフィスか否かだけで判断することはできません。
あくまでも、投資の実態があるか、会社の実態があるかを慎重に判断する材料ということです。
知識をつけて予防する
もっとも、最近は投資商品を正式に扱っている会社が取り扱っている商品の中にも詐欺的な商品があったという事例もあります。
このような場合は、安易に自分の重要な財産を出資するのではなく、投資の知識をつけて自衛することも重要です。
投資詐欺に遭ってしまった場合の対処法
万が一、投資詐欺の被害に遭った場合は、迅速な対応が重要です。以下の手順を取ることで、被害を最小限に抑えることができます。
弁護士に相談する
被害額の回収や加害者の法的責任を追及するために、弁護士のサポートを受けましょう。詐欺事案に詳しい弁護士がいれば、被害回復の可能性が高まります。当事務所では、消費者被害や投資詐欺の被害を注力分野として取り組んでおり、詐欺被害チームが対応させていただきます。
証拠の保全
メールや契約書、送金記録など、詐欺に関連する証拠はすべて保管しておくことが重要です。これらは法的手続きにおいて重要な役割を果たします。
集団訴訟
同じ被害に遭ってしまった方が多数おられる場合は、集団訴訟を起こすことも考えられます。当事務所においても実績がございます。
まとめ
詐欺師たちは常に新しい手口を考案し、投資家を誘惑しますが、警戒心と慎重な対応で被害を防ぐことが可能です。
高利回りの保証や、緊急性の煽り、情報の不透明さなどのサインを見逃さず、常に冷静な判断を心がけましょう。
万が一詐欺に遭ってしまった場合でも、迅速に行動することで被害を最小限に抑えることができます。
怪しいと感じたら、すぐにご相談ください。無料でご相談できます。
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