占い詐欺サイトに対して、ポイントとして支払った金銭の返還請求訴訟を起こした場合、以下のポイントを満たせば、返還が可能です。
・詐欺に該当する場合
・詐欺に該当しないとしても、社会的に相当な範囲を著しく逸脱した違法な行為をしている場合
この2つの場合についてそれぞれ見ていきましょう。
占いサイトが詐欺に当たる場合
占いサイトが詐欺に該当する場合とは、
・占い師が実際には存在しない場合
・個別鑑定をしていると説明していたのに、実はメールを使い回しているだけで個別に鑑定をしていない場合
などが挙げられます。

詐欺に該当するとして、返金を認めた事例として岡山簡判令和4年5月31日(掲載誌情報不明)があります。
こちらの事例では、恋愛に悩みを抱えていた原告が、「無料鑑定」と表示されていた公告を見て、占いサイトに会員登録をしました。そのあと原告は、「伝説の恋愛伝道師」「伝説の鑑定士」と称する鑑定士から「男難がある」これを解消するには「七つの不幸の根源」を消す必要があるなどと指摘されて、1か月程度の期間で23万4000円をこの占いサイトに使ってしまいました。
裁判所は、実在しない鑑定師があたかも実在すると欺罔し、錯誤に陥らせた、として占いサイトの詐欺を認めました。
裁判所がこのような判断に至ったのは、立証活動にもポイントがあります。裁判所から鑑定士の存在を裏付ける文書(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿)を、占いサイトに提出するよう文書提出命令が発令されました。しかし、占いサイトは、既に破棄したとしてこれらを提出しませんでした。
裁判所はこの不提出も根拠に鑑定士が存在しないと判断しているのです。
東京地判平成30年4月14日消費者法ニュース116号350頁も、「鑑定士が実在しないか、少なくとも原告について個別に占いにより運勢をみた上でメールを送信したり原告からの申込みに応じて占い等を行ったりしたことはないと認められるから、サイト運営者の行為は詐欺に該当する」と判断しています。
占いサイトが詐欺には該当しないが、社会的に相当な範囲を著しく逸脱した違法な行為をしている場合
詐欺に該当しなくても、社会的に相当な範囲を著しく逸脱した違法な行為をしている場合も、返金が可能です。
この基準をもとに返金を認めた東京地判令和元年12月2日判タ1484号213頁を紹介します。
こちらは、鑑定士にメールを送信するのに1通150ポイント(1ポイント10円換算なので1500)が掛かるサイトの事例です。
原告①は、正規の占いだと信用して、占いサイトに意味のないメールを送るように指示されるなどして、695万8000円をサイトに支払いました。原告②は、同様に52万7500円をサイトに支払いました。

この裁判例は、
・鑑定勧誘の目的の不当性
・鑑定勧誘の手段の不当性
・被害者が不正常な判断を妨げられたこと
・鑑定の対価が不当に過大なこと
などの観点に着目して、原告①②に対する返金を認めました。
具体的には、原告が精神的に不安定な状態にあったこと、占いサイトのサービスによって正常な判断が妨げられたこと、過大な金銭を支出したことなどが判断理由として挙げられています。
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